格安SIMが一般的になった今、「たくさん種類がありすぎて、どれを選べばいいか迷ってしまう」と感じる方は少なくありません。料金の安さ、通信の速さ、家族での使いやすさなど、人によって重視するポイントはさまざまです。
実際のところ、「人気があるから」「ランキングで上位だから」という理由だけで選んでも、自分の使い方に合っていなければ満足度は下がってしまいます。たとえば、できるだけ毎月のスマホ代をおさえたい人と、家族でまとめて契約してお得にしたい人では、選ぶべきサービスが違ってくるのです。
格安SIMを上手に選ぶコツは、「自分がスマホで何を大事にしているか」を最初に整理すること。目的に合ったサービスを選べば、料金も使い勝手も無理のない形でスマホ生活を楽しむことができます。
この記事では、「コスパを重視したい」「家族で使いたい」「ストレスなく使いたい」など、それぞれの目的に合わせておすすめの格安SIMを紹介していきます。自分のライフスタイルにぴったり合う1枚を見つける参考にしてみてください。
節約したい人向け!コスパ重視で選ぶ格安SIM
スマホの料金を少しでも安くしたいという人にとって、格安SIMはとても頼れる選択肢です。ただし、「とにかく安ければいい」と思って選ぶと、あとで使いにくさを感じることもあるため、ポイントをおさえて選ぶことが大切です。
この章では、コストを抑えながらもしっかり使える、おすすめの格安SIMの特徴や選び方を紹介していきます。
料金プランの“ムダ”をなくすことが節約のカギ
スマホ代を安くする第一歩は、自分の使い方に合ったプランを選ぶことです。たとえば、普段はWi-Fiがある環境で使っていて、データ通信はあまり使わないという人が、10GB以上の大容量プランを契約してしまうと、そのぶんムダな出費になります。
逆に、毎月3GB前後のデータで十分な人なら、月額1,000円前後のプランでスマホを使うことができます。通話があまり必要ない場合は、データ通信のみのプランも選べるため、さらに節約することも可能です。
格安SIMは、使う分だけをしっかり契約する「ちょうどいい」使い方ができるのが特徴です。
セールやキャンペーンを活用すればもっとお得に
格安SIM各社では、定期的にお得なキャンペーンを行っています。たとえば、契約時に初期費用が無料になったり、数か月間は基本料金が割引になったり、ポイントがたくさんもらえるなど、内容はさまざまです。
こうしたキャンペーンを活用することで、実際にかかる費用を大きくおさえることができます。タイミングによっては、スマホ本体がセットになっているセールもあり、新しく端末も必要な人にはとても助かります。
ただし、キャンペーンには期限があることが多いため、内容をしっかり確認しながら申し込むようにしましょう。
代表的な「コスパ型」格安SIMの特徴
ここでは、料金の安さに特化しながらも、一定の使いやすさを保っている格安SIMをいくつか紹介します。
【例1】日本通信SIM
「合理的プラン」という名称のとおり、シンプルでわかりやすい料金設計が特徴です。たとえば、月額1,390円で6GB+70分の無料通話がついたプランが人気です。必要なサービスだけを選べるため、コストをおさえたい人に向いています。
【例2】HISモバイル
最低水準の月額料金が魅力です。1GBプランが290円から使えるなど、スマホをあまり使わない人には最適です。音声通話も追加できるので、連絡手段として最低限の機能を確保したい方におすすめです。
【例3】OCN モバイル ONE(※販売終了済み。ただし旧ユーザー向けに参考まで)
過去には、音声通話付きで月額990円から使えるプランを提供していました。速度や安定性に定評があり、コスパ重視のユーザーに選ばれていた実績があります。
「かけ放題」も必要かどうかを見極める
コスパを考えるうえで、「かけ放題」が必要かどうかも重要なポイントです。通話が少ない人にとって、かけ放題はムダになりがちです。
最近の格安SIMでは、1回5分以内の通話が無料になるオプションや、月に60分まで定額というプランなど、通話時間に合わせて選べるものが増えています。
LINE通話やメッセージアプリでやり取りすることが多い人なら、通話オプションをつけずにその分を節約するのもひとつの方法です。
自分で管理できる人ほどお得に使える
格安SIMのプランは、「自分で選んで、自分で管理する」スタイルに向いています。データ容量の使用量や通話時間などを日々確認しながら、必要に応じてプランを見直せば、ムダを最小限に抑えることができます。
通信会社の公式アプリなどを活用すれば、使用状況のチェックや契約内容の変更もかんたんにできるようになっているので、特別な知識がなくても十分使いこなせます。
コスパ重視でも「満足度」は下げない
安さだけを追いかけて、使いづらくなってしまっては意味がありません。最低限の速度、安定した通信、簡単なサポート体制など、「安いけど使える」バランスを大切にしましょう。
速度の口コミや、ユーザーの評判を参考にして選ぶことも大切です。料金とサービス内容のバランスがとれている会社を選べば、無理せず節約しながら、快適なスマホ生活が送れるはずです。
家族で使うならここ!家族割やシェアプランがある格安SIM
家族でスマホを使っていると、料金や管理の面で気になることがいくつか出てきます。たとえば、「家族みんなでまとめて契約したら安くなるのか」「請求をひとつにまとめられるのか」「通信量を分け合えるのか」などです。
実は、格安SIMのなかには家族向けのプランや、複数人で使うことを想定したサービスを提供している会社があります。うまく活用すれば、家計の節約にもなり、家族みんなが快適にスマホを使えるようになります。
家族割で月々の料金が下がるプランがある
格安SIMの中には、家族で契約することで1人あたりの月額料金が安くなる「家族割引」を用意しているところがあります。
たとえば、IIJmioでは、家族で同じ契約者名義のもとにSIMを追加することで、通話料が通常よりも割引になる特典があります。また、追加のSIMカードも1枚あたり月額数百円で利用できるため、子どものスマホデビューや高齢の家族への導入にも向いています。
ほかにも、mineoでは家族それぞれが別々に契約していても、同一住所の家族であれば月額料金の割引を受けられる制度があります。このように、割引の仕組みや対象の条件は会社によって少しずつ違うため、事前に確認しておくと安心です。
データ容量を分け合えるシェアプラン
家族全員が別々のデータ通信量を契約するよりも、ひとつの大きな容量を分け合ったほうが効率的なことがあります。たとえば、家族4人で合計40GBを契約しておけば、誰かが使いすぎても、他の人があまり使っていなければ全体でバランスがとれます。
このような「シェアプラン」は、使いすぎによる追加料金を防ぐ効果もあり、データの無駄も減らせます。
楽天モバイルでは、契約回線がひとつでも、テザリング機能を使えば家族の端末も一緒に通信することが可能です。IIJmioでも「ファミリーシェアプラン」として、1つの契約で複数枚のSIMを使いながら通信量を共有できるサービスが用意されています。
また、OCN モバイル ONE(※新規受付終了済)でも、以前は複数枚SIMでのデータシェアに対応していました。
まとめて管理できるから手続きもらくになる
家族で格安SIMを使う場合、請求の管理がシンプルになるのも大きなメリットです。たとえば、親が契約者になって子どもや祖父母のスマホもまとめて申し込めば、支払いをひとつにまとめられます。
毎月の通信費がひと目でわかるだけでなく、使用量の確認やプラン変更などの手続きも、ひとつのアカウントで完結します。忙しい中でスマホ管理を任されている親にとっては、大きな負担軽減になります。
また、家族分のSIMカードを後から追加できるサービスもあり、必要に応じて人数を増やすことができるのも便利なポイントです。
サポートの体制も確認しておこう
家族みんなで格安SIMを使う場合、使い方に不慣れな人がいることもあります。たとえば、小さなお子さんやスマホが初めての高齢者の場合、なにかトラブルが起きたときに相談できる体制があると安心です。
最近では、格安SIMでもチャットサポートや電話での相談窓口を用意している会社が増えてきました。中には、リアルタイムで操作を教えてくれるサービスもあり、初心者でも安心して使えるような工夫がされています。
また、家族で一括契約をした際に使える「フィルタリング機能」や「利用制限機能」なども提供されている場合があります。お子さんの安全なスマホ利用をサポートするうえでも、確認しておきたい項目です。
料金だけでなく“家族全体の使いやすさ”も大切
格安SIMを家族で使うときに見落としがちなのが、家族全員が「ストレスなく使えるかどうか」という点です。たとえば、親はデータ容量が多いほうがいいけれど、子どもは最低限でよい。祖父母は通話が中心、といったように、使い方が異なることがあります。
家族全体でバランスの取れたプランを選ぶことで、コストを抑えながらも、それぞれが満足できるスマホ利用につながります。必要に応じて、契約先を家族で分けるという考え方も柔軟に取り入れるとよいでしょう。
通信速度や通話品質も大事!ストレスなく使いたい人向け格安SIM
格安SIMを使うとき、月々の料金を抑えられるのは大きな魅力です。しかし、スマホを使っていてストレスを感じるのは、通信が遅かったり、通話がうまくつながらなかったりするときです。とくに仕事や学習で使う場面では、安定した通信と聞き取りやすい通話がとても重要になります。
この章では、価格だけでなく「使いやすさ」も重視したい人に向けて、通信速度や通話品質の面で評価の高い格安SIMの特徴や選び方を紹介していきます。
通信速度が安定している会社を選ぶ
格安SIMの通信は、大手キャリアの回線を借りて提供されています。そのため、通信速度は利用者の多さや時間帯の影響を受けやすい傾向があります。とくにお昼休みや夜の時間帯は、通信が混み合って遅くなることがあります。
ただし、すべての格安SIMが遅いわけではありません。会社によっては、混雑する時間帯でもスムーズに通信できるよう、回線の設備に工夫をしているところもあります。
たとえば、UQモバイルやワイモバイルは、auやソフトバンクのサブブランドで、比較的通信が安定していることで知られています。動画の再生やWebサイトの表示がスムーズで、日常的な使い方ならストレスを感じにくいとされています。
速度の安定性と「時間帯の快適さ」をチェック
通信速度は「何Mbps出るか」という数値だけでなく、「どの時間帯でも安定して使えるか」が大切です。朝は速いのに、昼になるとページがなかなか開かない…という状態では、快適とは言えません。
このため、契約前に実際の利用者のレビューや速度測定のグラフなどをチェックしておくのがおすすめです。とくに、お昼(12~13時)と夕方(18~20時)の速度が安定している会社を選ぶと、使いやすさの満足度がぐんと上がります。
また、契約後に無料で解約できる「お試し期間」や「初月無料」の制度がある会社を選べば、実際の使用感を確かめてから継続を決めることもできます。
通話品質が良いことも重要
スマホは通話も大切な機能です。とくに仕事の電話や、遠くに住む家族との会話など、通話がうまくできないと困る場面は意外とたくさんあります。
格安SIMでも、電話番号を使った通話(音声通話)はもちろん利用できますが、品質には差があることがあります。ノイズが入ったり、声が途切れてしまったりすると、通話がスムーズにできません。
通話品質を重視するなら、専用の通話アプリではなく、キャリアと同じ「VoLTE(ボルテ)」という方式に対応している格安SIMを選ぶとよいでしょう。VoLTEは、音声を高速通信の仕組みで届けるため、音がクリアで聞き取りやすくなるという特徴があります。
かけ放題オプションでストレス軽減
通話の回数や時間が多い人にとっては、「かけ放題」オプションが便利です。通話料を気にせずに電話ができるため、仕事や家族との連絡に活用しやすくなります。
たとえば、IIJmioやmineoでは、1回5分以内の通話が無料になるプランや、完全かけ放題のプランも選べます。自分の通話スタイルに合わせてオプションを選ぶことで、料金と快適さのバランスを取ることができます。
また、LINE通話やZoomなどのアプリを多く使う人であれば、通話よりも通信速度の安定性を優先して選ぶのがよいでしょう。
サポート体制の整った会社を選ぶ
はじめて格安SIMを使う人や、スマホの操作に不安がある人にとっては、サポートのしっかりしている会社を選ぶと安心です。
たとえば、ワイモバイルやUQモバイルは、全国に実店舗があるため、対面での相談や手続きが可能です。また、チャットサポートや電話サポートを用意している格安SIM会社も増えてきており、困ったときにすぐ相談できる体制が整っています。
サポートの有無は見落としやすいポイントですが、「使いこなせなかった」という理由で解約するのを防ぐためにも重要な要素です。
「使っていて不便がないこと」が選ぶ基準になる
格安SIMを選ぶとき、「とにかく安いこと」だけを考えてしまうと、実際に使ったときに不満を感じてしまうことがあります。ページがなかなか表示されなかったり、通話が不安定だったりすると、毎日のちょっとしたストレスになります。
そのため、「使っていて不便がないこと」「自然に使えること」こそが、満足度の高い格安SIMを選ぶためのポイントになります。自分がスマホでどんなことをよくするのかを考えて、通信速度や通話の質がしっかりしている会社を選ぶようにしましょう。
まとめ:目的に合わせて選べば、格安SIMはもっと使いやすくなる
格安SIMは、ただ料金が安いだけでなく、使う人の目的に合わせて選ぶことで、より快適でムダのないスマホ生活が実現できます。節約を重視したい人、家族みんなでまとめて使いたい人、通信や通話の快適さを大事にしたい人。それぞれにぴったりのサービスがあります。
たとえば、毎月の出費をおさえたいなら、最低限のデータ容量で済むシンプルなプランがおすすめです。家族で使う場合は、データを分け合えるシェアプランや、請求をまとめて管理できる仕組みが便利です。そして、スマホを仕事や学習にも使う方には、通信速度や通話品質が安定している会社を選ぶと安心です。
格安SIMにはたくさんの選択肢がありますが、自分の使い方をしっかりイメージして選ぶことで、「安いけれど使いにくい」という失敗を防ぐことができます。これから契約を考えている方は、料金だけでなく「どう使いたいか」に注目して、自分に合ったサービスを見つけてみてください。
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