スマホ代を安くしたい。
そんなとき、候補に入るのが格安SIMです。
大手キャリアから格安SIMへ乗り換えると、毎月の通信費を下げられることがあります。
ただし、料金だけで決めるのはおすすめしません。
大手キャリアと格安SIMでは、月額料金だけでなく、混雑時の通信速度やサポート方法などにも違いがあります。
料金を抑えたいなら格安SIMが有力。通信の快適さや店頭サポートを重視するなら大手キャリアにもメリットがあります。
大切なのは、安いほうを選ぶことではなく、自分の使い方に合った回線を選ぶことです。
大手キャリアと格安SIMは何が違う?
大きな違いは、通信サービスを提供する仕組みです。
ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなどは、自社で携帯電話の通信設備を持っています。こうした通信事業者はMNOと呼ばれます。
一方、mineoやIIJmio、イオンモバイルなどは、大手キャリアの回線を借りて通信サービスを提供しています。こちらはMVNOと呼ばれます。
一般に「格安SIM」と呼ばれるサービスでは、このMVNOが代表的です。
MVNOは全国に携帯電話の基地局を自社で整備する必要がないため、設備や運営にかかる費用を抑えやすくなります。それが低料金のサービスを提供しやすい理由のひとつです。
ただし、大手キャリア側にもオンライン中心の低料金プランがあります。
そのため、現在は「大手キャリアは高い、格安SIMなら必ず安い」と単純には分けられません。
格安SIMにすると電波が弱くなるわけではない
格安SIMへ乗り換えると、電波そのものが弱くなると思われることがあります。
しかし、MVNOはドコモやau、ソフトバンクなどの回線を利用しています。
たとえばドコモ回線を使う格安SIMなら、基本となるサービスエリアはドコモ回線に準じます。
違いが出やすいのは、電波の強さよりもデータ通信の速度です。
MVNOは大手キャリアのネットワークを利用し、自社側の設備を通して利用者へデータ通信を提供しています。
利用者が集中すると、その部分が混雑して通信速度が低下することがあります。
特に昼休みや朝夕の通勤時間などは、Webページの表示や動画の読み込みが遅くなることがあります。
ただし、すべての格安SIMが同じ速度ではありません。
通信事業者、利用する回線、地域、時間帯などによって実際の速度は変わります。
データ通信が遅くても通常の電話まで遅くなるわけではない
ここは少し分かりにくいところです。
格安SIMで昼休みなどにデータ通信が遅くなっていても、そのために通常の携帯電話まで同じようにつながりにくくなるわけではありません。
070・080・090などの携帯電話番号を使った通常の音声通話と、Webサイトや動画を見るためのデータ通信は、同じものではありません。
一方、LINE通話、FaceTime、Zoom、Google Meetなどはインターネットのデータ通信を利用します。
こちらは通信が混雑していると、音声が途切れたり映像が乱れたりする可能性があります。
月額料金は格安SIMのほうが抑えやすい
格安SIMの一番分かりやすいメリットは、月額料金を抑えやすいことです。
特に、毎月使うデータ容量が少ない人には、小容量の低料金プランを選べるメリットがあります。
たとえば、自宅や職場ではWi-Fiを使い、外出先ではLINEやWeb閲覧が中心という人なら、大容量の料金プランを契約する必要がない場合があります。
一方、大手キャリアにも低料金のプランやオンライン中心の料金プランがあります。
さらに、家族割引、光回線とのセット割、通話オプションなどを利用している場合は、単純な基本料金だけでは比較できません。
まず確認したいのは、毎月の請求額と実際に使っているデータ量です。
毎月3GB程度しか使っていないのに大容量プランを契約しているなら、料金を見直せる可能性があります。
店頭サポートは大手キャリアの強み
大手キャリアの強みのひとつが、店舗で相談できることです。
契約や機種変更だけでなく、料金プランやスマホの操作について相談することもできます。
格安SIMはオンラインで申し込みや手続きを行うサービスが多く、SIMの入れ替えや初期設定を自分で行う場合があります。
その分、店舗運営などにかかる費用を抑えやすく、低料金につなげられます。
ただし、格安SIMでも店舗や提携店を用意している会社があります。また、電話、チャット、メールなどのサポートもあります。
「格安SIMにはサポートがない」という意味ではありません。
違うのは、どこまで自分で手続きする必要があるかです。
スマホの設定やオンラインでの申し込みに抵抗がなければ、格安SIMでも困る場面は少なくなります。
格安SIMへ乗り換えてもスマホはそのまま使える?
格安SIMへ乗り換えるために、必ずしもスマホを買い替える必要はありません。
現在使っているスマホを、そのまま利用できる場合があります。
ただし、SIMカードを入れ替えればどのスマホでも使えるわけではありません。
乗り換える前に確認したいのは、次の点です。
- 乗り換え先の動作確認端末に掲載されているか
- 利用する回線の周波数に対応しているか
- SIMカードまたはeSIMに対応しているか
- 古い端末の場合はSIMロックが残っていないか
2021年10月1日以降に発売された端末は、SIMロックを設定せず販売することが原則となっています。
一方、それ以前に発売されたスマホではSIMロックが設定されている場合があります。
また、SIMロックが解除されていても、利用する通信会社の周波数に十分対応していなければ、場所によって電波をつかみにくくなる可能性があります。
契約前に、乗り換え先の公式サイトにある「動作確認端末」を確認しておくのが確実です。
キャリアメールは乗り換え後も使える
以前は、大手キャリアを解約すると、@docomo.ne.jp、@au.com、@softbank.ne.jpなどのメールアドレスを使えなくなるのが一般的でした。
現在は、各社が「メール持ち運び」サービスを提供しています。
| サービス | 料金 | 主な申し込み条件 |
|---|---|---|
| ドコモメール持ち運び | 月額330円 | 原則として回線解約後31日以内 |
| auメール持ち運び | 月額330円 | 原則として回線解約後31日以内 |
| ソフトバンク メールアドレス持ち運び | 月額330円または年額3,300円 | 原則として回線解約後31日以内 |
※料金・条件は2026年9月時点です。利用するときは各社の最新情報を確認してください。
そのため、格安SIMへ乗り換えたからといって、必ずキャリアメールを捨てる必要はありません。
ただし、メールアドレスを維持するために料金がかかります。
長く使うことを考えるなら、Gmailなど通信会社を変更しても使い続けられるメールアドレスへ少しずつ移行する方法もあります。
大手キャリアと格安SIMの違いを比較
| 比較するところ | 大手キャリア | 格安SIM |
|---|---|---|
| 月額料金 | 高くなる場合がある | 安くしやすい |
| 小容量プラン | 選択肢が限られる場合がある | 選択肢が多い |
| 混雑時のデータ通信 | 比較的安定しやすい | 遅くなることがある |
| 通常の音声通話 | 利用できる | 音声通話対応SIMなら利用できる |
| 店頭サポート | 充実している | 少ないサービスが多い |
| 申し込み・設定 | 店頭で相談しやすい | 自分で行うことが多い |
| キャリアメール | 契約中は利用できる | 持ち運びサービスを利用可能 |
格安SIMは料金を抑えやすい一方で、混雑時の通信速度やサポート方法には違いがあります。
反対に、大手キャリアを使っているからといって、必ずしも損をしているわけではありません。
大手キャリアが向いている人
大手キャリアは、料金以外の部分も重視する人に向いています。
- 混雑する時間帯でも通信の快適さを重視したい
- 外出先で大容量通信をよく使う
- 店舗で相談したい
- スマホの設定を自分でするのが苦手
- 家族割引や光回線とのセット割を利用している
特に仕事などでスマホを頻繁に利用する場合は、月額料金だけでなく通信環境やサポートも含めて考えたほうがよいでしょう。
格安SIMが向いている人
格安SIMは、スマホの通信費を抑えたい人に向いています。
- 毎月のデータ使用量が少ない
- 自宅や職場ではWi-Fiを使う
- オンラインで申し込みできる
- SIMの交換やスマホの設定を自分でできる
- 店頭サポートをあまり使わない
特に、小容量で十分な人にとっては格安SIMの低料金プランが有力な選択肢になります。
まとめ|安さだけでなく自分の使い方に合う回線を選ぶ
大手キャリアと格安SIMには、それぞれメリットがあります。
料金を抑えたいなら格安SIMは魅力的です。
一方、混雑時の通信速度や店舗でのサポートを重視するなら、大手キャリアを使い続ける理由があります。
まず確認したいのは、毎月いくら払っているか、何GB使っているか、店頭サポートを利用しているかという点です。
使っていないデータ容量やサービスにお金を払っているなら、料金プランを見直す価値があります。
安さだけで選ばず、自分の使い方に合った回線を選ぶ。
これが、大手キャリアと格安SIMを比較するときの基本です。