格安SIMは、月々のスマホ代を抑えたい人にとって、強い味方になるサービスです。しかし、いざ選ぼうとすると、プランの種類が豊富で、どれが自分に合っているのか判断に迷うこともあります。料金の安さだけでなく、データ容量、通話オプション、サポート体制など、比較すべきポイントは多岐にわたります。
また、表面的には似たように見えるプランでも、細かい条件や特徴によって、実際の使い勝手や満足度には差が出てきます。たとえば、「安いけど通信が遅くて困った」「容量が足りず、結局追加料金がかかった」といった声も少なくありません。
この記事では、料金・データ量・通話機能・サポート面といった要素を、わかりやすく分類して比較し、それぞれの特徴を丁寧に紹介していきます。数字やスペックをもとに整理された情報を通じて、自分にとって最適なプランを見つけやすくなることを目的としています。
格安SIM選びで後悔しないためには、「なんとなく」ではなく、「使い方に合った数値や内容で選ぶこと」が大切です。その第一歩として、さまざまな角度から格安SIMのプランを見ていきましょう。
月額料金から選ぶ!予算別・満足度の高い格安SIMの選び方
格安SIMを選ぶときに、まず考えたいのが「月々いくらまでなら払えるか」という予算の感覚です。人によって「とにかく安くしたい」「1,500円以内なら出せる」「3,000円前後までならOK」など、許容できる金額はさまざまです。
ここでは、月額の予算ごとに「どんなサービスが受けられるのか」「その金額でどんな使い方ができるのか」を具体的に紹介していきます。
月額1,000円以下:通信は最低限、コスパ重視
スマホは主に電話とLINEが中心で、動画やSNSはほとんど使わないという人なら、月額1,000円以下のプランでも十分です。
たとえば「HISモバイル」や「日本通信SIM」では、1GB前後のデータ通信+音声通話がついて月額500円〜700円で利用できます。Wi-Fiのある環境でスマホを使うことが多い人には、非常に効率の良い選択です。
この価格帯で抑えたい人は、スマホの使い方をしっかり限定できるかどうかが重要です。「家ではWi-Fi、外では連絡だけ」なら、驚くほど費用を抑えることができます。
月額1,000円〜1,500円:SNSや検索も快適な“ちょうどいい”ライン
「安さも大事だけど、ネットやSNSもある程度使いたい」という人にとって、月額1,000円〜1,500円はもっともバランスの取れた価格帯です。
この金額帯になると、3GB〜6GB前後のデータ容量がついた音声通話プランが選べます。LINEやInstagramの閲覧、Web検索、Googleマップの利用など、日常的な用途で困ることは少なくなります。
おすすめは「IIJmio」や「mineo」などのMVNO。月額1,200円程度で使える3GBプランが人気です。通話オプションも自由に選べるため、自分に合ったスタイルで組み立てられます。
月額2,000円〜3,000円:動画や音楽を楽しみたい人向け
動画をよく見る人や、通勤・通学中に音楽をストリーミング再生するような使い方をするなら、月額2,000円〜3,000円の予算を見ておくと安心です。
この価格帯では、15GB〜20GB以上の大容量プランが選べます。たとえば「楽天モバイル」は20GBまでなら2,178円、「mineo」は20GBプランに加えて、50GBプランも2,948円で提供しています。
さらに、速度や品質も重視したい人には、UQモバイルやワイモバイルのようなサブブランドも選択肢に入ります。実店舗があり、サポートも充実しているので、はじめての人でも使いやすいです。
「この金額で何ができるか」を基準にする
予算ベースで格安SIMを考えるときは、「この金額ならどんな使い方ができるか」を知っておくことが大切です。
月1,000円以内 → 連絡手段+ちょっとした検索
月1,500円前後 → SNS・ナビ・調べ物は快適に
月2,000円以上 → 動画や音楽も不自由なく使える
このように、金額ごとに「できること」の目安をもっておくと、プランを選ぶときに迷いが少なくなります。
安さだけでなく“満足感”を意識した選び方を
格安SIMは、安く使えるだけでなく、自分のスタイルに合わせて組み合わせを選べるのが大きな特徴です。ただし、「安すぎて使いにくい」と感じてしまっては意味がありません。
料金だけでなく、データ容量・通信品質・サポートなども合わせて考え、長く安心して使えるプランを選ぶことが大切です。自分にとって「無理なく使えて、ちょっと得した気分になれる」価格帯を見つけていきましょう。
使い方で選ぶ!あなたにぴったりのデータ容量の見つけ方
格安SIMを選ぶとき、月額料金と並んで大切なのが「どれだけデータを使うか」です。スマホでどのようなことをするかによって、必要なデータ容量は大きく変わります。容量が足りないと速度制限で使いにくくなり、逆に余らせてもお金がもったいないこともあります。
ここでは、使い方に応じた容量の目安や、容量を気にせず使えるオプションについても紹介します。
1GB〜3GB:連絡とちょっとした調べ物が中心
スマホの使い道が主にLINEやメール、天気の確認や地図アプリなど、ちょっとした用途に限られるなら、1GB〜3GBで十分です。1日あたり約100MB以内の使用に収まる人なら、月間でもそれほど容量を必要としません。
自宅や職場にWi-Fiがあり、外では最低限しか通信しない人にとって、この容量帯は最も経済的な選択です。
5GB〜10GB:SNSや調べ物を日常的に使う人向け
InstagramやX(旧Twitter)などのSNSをよく見たり、ネットでの調べ物を毎日したりする人には、5GB〜10GBが安心です。画像や動画が多く表示されるアプリは、見ているだけでも意外と通信量を消費します。
とくに、通勤・通学中のスキマ時間にSNSを楽しんでいる人には、10GB程度の容量があると安心して使えます。
15GB〜20GB:動画をよく見る人にちょうどいい
YouTubeやNetflixなどで動画を日常的に視聴する人は、15GB〜20GB程度の容量があると安心です。標準画質(480p)の動画は、1時間あたり500MBほどの通信量を使うため、1日30分〜1時間見るだけで月10GBを超えてしまいます。
また、音楽ストリーミング(Spotifyなど)を毎日使う場合も、月間2GB〜4GBほどは必要になります。動画や音楽、SNSなどをバランスよく使う人にはこの容量帯が適しています。
30GB〜50GB:テザリングやオンライン会議が多い人向け
スマホでパソコンのインターネットをまかなうテザリングを使っていたり、リモートワークやオンライン授業を日常的に行っていたりする場合は、30GB以上の大容量プランがおすすめです。
たとえば、Zoomなどで1時間ビデオ通話を行うと、1GB以上の通信量がかかることもあります。外出先でも安定したネット接続が求められる人は、容量に余裕を持って選ぶと安心です。
最近では、mineoの「マイピタ」プランで50GBまで選べるようになっており、ヘビーユーザーにも対応できる選択肢が増えています。
速度を抑えて、使い放題にできるオプションもある
データ容量が不安な人にとって便利なのが、「速度制限付きで使い放題になるオプション」です。たとえば、mineoが提供する「パケット放題Plus」は、月額385円の追加で最大1.5Mbpsの速度でデータが無制限に使えます。
1.5Mbpsというと、YouTubeの標準画質動画や音楽ストリーミング、SNSの閲覧などがスムーズに使えるレベルです。高画質の動画や重いファイルのダウンロードには向きませんが、日常的なスマホの使い方であれば十分対応できます。
このようなオプションを活用すれば、毎月のデータ残量を気にせず、快適にスマホを使い続けることができます。特に動画や音楽をよく楽しむ人にとっては、大容量プランと並ぶ選択肢のひとつになります。
足りないより、少し余るくらいがちょうどいい
格安SIMでは、多くの会社がプランの変更に柔軟に対応しています。1か月使ってみて容量が足りなければ翌月に増やす、逆に余っていれば減らすといった調整も可能です。
また、「データ繰り越し」ができるサービスを選べば、使い切れなかった容量が翌月に持ち越され、ムダが少なくなります。
速度制限がかかってからのスマホ利用はかなりストレスになります。そのため、「少し多めにしておく」くらいの気持ちで選ぶと、快適に使えるでしょう。
特徴で差が出る!通話・速度・サポート面の注目ポイント
格安SIMは、料金やデータ容量だけでなく、「使いやすさ」に関わるいろいろな特徴があります。たとえば、電話をよくかける人には通話オプションが重要ですし、通信速度の安定性や困ったときのサポート体制も、快適なスマホ生活を支える大切な要素です。
この章では、料金表だけでは見えにくい“使いやすさの差”に注目して、通話、通信、サポートそれぞれの面から格安SIMの選び方を解説します。
電話をよく使うなら通話オプションをチェック
格安SIMでも電話番号を使った音声通話はできますが、通話料は1分あたり20円ほどかかることが多く、何度も電話をかける人には負担が大きくなります。そこで活躍するのが「かけ放題」や「通話定額」のオプションです。
たとえば、IIJmioやmineoでは「5分かけ放題」「10分かけ放題」「完全かけ放題」など、自分の通話スタイルに合ったオプションを選べます。たくさん電話をするなら、追加料金を払ってでもかけ放題をつけたほうが、トータルの費用はおさえられる場合があります。
また、一部の格安SIMでは、専用アプリを使って通話することで料金が半額になるなど、お得に電話をかけられる工夫もあります。契約前に、どのくらい電話を使うかをイメージして、必要な通話オプションがあるかどうかを確認するとよいでしょう。
通信速度の安定性にも注目したい
格安SIMの通信速度は、混み合う時間帯に遅くなりやすいという特徴があります。特に昼休み(12時台)や夜の帰宅時間(18時〜20時)は、多くの人がスマホを使うため、ページの読み込みが遅くなったり、動画が止まってしまうことがあります。
しかし、すべての格安SIMが同じように遅くなるわけではありません。UQモバイルやワイモバイルなどの「サブブランド」は、通信設備が強化されていて、混雑する時間帯でも安定して使えるケースが多いです。
また、最近ではIIJmioやmineoなどのMVNOでも、通信品質の向上に力を入れており、快適に使える時間帯が広がっています。速度に関する評判や測定結果をチェックしながら、信頼できる会社を選ぶことがポイントです。
通信の安定とあわせて、使い放題オプションも魅力
mineoの「パケット放題Plus」など、速度を1.5Mbpsに制限しつつ、データ使い放題になるオプションもあります。これは、通信速度は少し遅くなりますが、YouTubeの標準画質の視聴や、音楽ストリーミング、SNSなどには十分なスピードです。
このようなオプションをうまく使えば、速度を気にせず快適にスマホを使える時間が増えます。日中は通常の高速通信、夜間や動画視聴時はパケット放題を使うなど、工夫次第でストレスなく過ごせます。
サポート体制の違いにも目を向けよう
格安SIMを使い始めるときや、トラブルが起きたときに頼れるサポートがあるかどうかも重要です。多くの格安SIMはオンライン中心のサービスですが、チャットやメール、電話での問い合わせができる会社もあります。
中でもUQモバイルやワイモバイルは、実店舗があるため、対面でのサポートを希望する人にも向いています。初めて格安SIMを使う人や、高齢の家族の契約を検討している場合などは、実店舗がある会社を選ぶと安心です。
また、mineoでは「ゆずるね。」というコミュニティ型のサポート機能もあり、ユーザー同士で使い方のアドバイスを受けられるユニークな取り組みも行われています。
契約のしやすさや自由度にも差がある
格安SIMは基本的に契約期間の縛りがなく、使ってみて合わなければ解約もしやすいというのがメリットです。しかし、会社によっては初期費用が高かったり、最低利用期間が設定されていたりすることもあるため、契約前に細かく確認しておくと安心です。
また、マイページでプラン変更や容量追加が簡単にできるかどうかも、長く使ううえで大事なポイントです。公式アプリが使いやすいか、料金明細が見やすいかといった“使い勝手”も満足度に関わってきます。
まとめ:比較の視点を持てば、自分に合うプランが見えてくる
格安SIMにはたくさんの会社やプランがありますが、大切なのは「自分に合ったものをどう見つけるか」という視点です。なんとなく安そう、人気があるから、という理由だけで選んでしまうと、使いにくさを感じることがあります。
今回紹介したように、まずは月にかけられる金額を決めて、その中でどのような通信が必要なのかを考えていくと、選ぶべきプランが見えてきます。動画をたくさん見るのか、SNSが中心なのか、あるいは仕事でテザリングを使うのかといった使い方によって、必要なデータ容量は変わります。
また、通話をよく使う人にはかけ放題オプション、通信速度が気になる人にはサブブランドや高品質なMVNO、さらにmineoのような使い放題オプションなど、細かい特徴にも目を向けると、より満足のいく選択ができます。
格安SIMは情報が多くてむずかしく見えることもありますが、数値と目的をもとにひとつずつ整理していけば、納得のいく選び方ができるようになります。自分の生活スタイルに合ったプランで、スマホをもっと便利に、もっと快適に使っていきましょう。
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