スマホ代を少しでも安くしたいと考えたとき、
「格安SIM」という言葉を耳にすることが増えてきました。
テレビCMやネット広告でもよく見かけるようになりましたが、
「なんとなく安そうだけど、仕組みがよくわからない」
「ちゃんと使えるのか不安」
と感じている方も多いのではないでしょうか。
格安SIMは、大手キャリアに比べて月額料金が大幅に安くなることが最大の魅力です。
ですが、その一方で通信速度やサポート体制など、大手との違いがあるのも事実です。
正しく理解してから使い始めることが、失敗しない格安SIM選びの第一歩といえるでしょう。
本記事では、これから格安SIMを使ってみようと考えている方に向けて、
「そもそも格安SIMとは何か?」
「どんな仕組みで安くなっているのか?」
「使う上でのメリットとデメリット」
など、基本的な情報をわかりやすく解説していきます。
難しい専門用語はできるだけ使わず、スマホに詳しくない方でも読みやすい内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
格安SIMについて正しく知っておけば、自分に合ったサービスを選びやすくなり、毎月のスマホ代をぐっと節約することも可能です。
この機会に、格安SIMの基礎をしっかり押さえておきましょう。
そもそも格安SIMとは?基本のキをわかりやすく解説
スマートフォンを使うには、「SIMカード(シムカード)」という小さなチップが必要です。
このカードは、スマホの中に入っていて、電話をかけたり、インターネットに接続したりするために使われています。
ふだんドコモやau、ソフトバンクなどの大手の携帯電話会社を使っている人も、持っているスマホにはこのSIMカードが入っているんですよ。
そして、その大手とは別に「格安SIM」と呼ばれるサービスを提供している会社もあります。
格安SIMとは、大手の携帯電話会社から通信回線を借りて、より安い料金でスマホが使えるようにしたSIMカードのことです。
こういったサービスを提供している会社は、「MVNO(仮想移動体通信事業者)」と呼ばれています。
格安SIMを提供している代表的な会社には、mineo(マイネオ)、IIJmio(アイアイジェイミオ)、NUROモバイル、イオンモバイルなどがあります。
これらの会社は、自分たちで基地局(通信のアンテナ)を持たず、大手の通信会社から回線だけを借りて運営しています。
このように、大きな設備を持たないことでコストをおさえることができ、その分スマホ代を安くすることができるのです。
また、格安SIMの会社の多くは、店舗をあまり持っていません。
申し込みやサポートは、インターネット上で行うのが一般的です。電話やメール、チャットを使って問い合わせができるようになっていて、わざわざ店舗に行かなくても手続きできる仕組みになっています。
これも運営コストをおさえることにつながり、利用料金の安さに反映されています。
たとえば、3GBのデータ通信が使えるプランで比べてみると、大手キャリアでは月に3,000円以上かかることもありますが、格安SIMなら1,000円台で利用できることもあります。
スマホの使い方によっては、年間で2万円以上の節約ができることもあるのです。
格安SIMを使うためには、スマホが対応していることが大切です。
以前は、大手の携帯会社で買ったスマホには「SIMロック」がかかっていて、他の会社のSIMカードが使えないようになっていました。
しかし、2021年10月以降は、総務省のルールによってSIMロックの設定は原則として禁止されるようになりました。
そのため、最近のスマートフォンは、最初からSIMロックがかかっていない「SIMフリー」の状態で販売されていることがほとんどです。
これにより、格安SIMに乗り換えるときのハードルがぐっと下がりました。
ただし、2021年9月以前に発売されたスマホや、中古で購入した端末にはSIMロックが残っている可能性があります。
古いスマホを使っている場合や、中古の機種を使いたい場合には、事前にSIMロックの状態を確認し、必要に応じて解除手続きを行うようにしましょう。
また、格安SIMにはいくつか種類があります。
電話番号を使って通話ができる「音声通話SIM」、インターネットだけ使える「データ専用SIM」、そしてSMS(ショートメッセージ)が使えるSIMなどがあります。
電話をよく使う人には音声通話SIMがおすすめですし、LINEやネット中心で電話はあまり使わない人には、より安いデータ専用SIMという選択肢もあります。
用途に合わせて選べるのも、格安SIMの魅力のひとつです。
最近では、スマホだけで申し込みから設定まで完了できる格安SIMも増えてきました。
設定方法もシンプルになっていて、初心者の方でも迷わず使い始められるようになっています。
このように、格安SIMはスマホ代をおさえたい人にとって、とても便利でお得な選択肢です。
仕組みや使い方をしっかり知っておけば、安心して利用できます。
格安SIMが安い理由とは?仕組みとサービスの特徴
格安SIMが注目されている一番の理由は、スマホの料金が大幅に安くなることです。
でも、どうしてこんなに安くできるのか、不思議に思う方も多いのではないでしょうか。
この章では、格安SIMのしくみと、安さの理由をわかりやすく説明していきます。
まず、格安SIMの会社(MVNO)は、自分たちで通信設備を持っていません。
ドコモやauなどの大手キャリアが持っている「基地局(きちきょく)」と呼ばれるアンテナや通信網を、一部だけ借りて使っているのです。
これにより、基地局を建てたり、メンテナンスしたりするための費用がかからず、その分、料金を安くすることができます。
また、格安SIMの会社は、基本的にネット上でサービスを提供しています。
店舗をあまり持たず、人件費や家賃などのコストをおさえることで、サービスの価格に反映しているのです。
申し込みはWebサイトやアプリで完結し、サポートも電話やチャット、メールなどで対応しています。
最初は少し不安に感じるかもしれませんが、最近は初心者向けのガイドやサポート体制も整ってきているので、安心して使えるようになっています。
さらに、格安SIMは**「使い方に合わせて選べるプラン」が多い**ことも大きな特徴です。
たとえば、あまりスマホを使わない人には、1GB〜3GBのデータ通信ができるライトなプラン。動画をよく見る人には、10GB以上の大容量プラン。そして通話をたくさん使う人には、かけ放題オプションがつけられるプランなど、自分のスタイルにぴったりのものが見つけやすくなっています。
大手キャリアのプランは、内容が決まっていて選択肢が少ないこともありますが、格安SIMなら「必要なものだけを選ぶ」ことができるので、ムダなくスマホを使いたい人にとっては、とても便利です。
ただし、格安SIMが安いぶん、大手キャリアとまったく同じようなサービスが受けられるわけではありません。
たとえば、通信速度は時間帯によって差が出ることがあります。
お昼休みや夕方など、多くの人が一斉にスマホを使う時間帯は、回線が混雑しやすくなるため、格安SIMでは速度が少し遅くなることがあります。
これは、大手のキャリアの回線の一部を借りているという仕組みが関係しています。
格安SIMはその「借りている分」しか使えないため、混雑時にはどうしても通信速度が落ちてしまうことがあるのです。
ただし、すべての格安SIMが遅いわけではありません。借りている回線の量を増やしたり、通信の工夫をしたりして、安定した速度を保っている会社もあります。
たとえば、mineoやIIJmioなど、一部の会社は「速度が安定している」と利用者のあいだで評判です。
速度が気になる方は、事前にその格安SIMの口コミや評価を調べておくと安心です。
さらに、格安SIMでは「キャリアメール」が使えない場合があります。キャリアメールとは、「@docomo.ne.jp」や「@ezweb.ne.jp」のようなメールアドレスのことです。
こういったアドレスは、ドコモやauなどの大手キャリアで契約している人だけが使えるものです。
しかし最近では、LINEやGmail、Yahoo!メールなどの無料メールサービスを使っている人が多いため、キャリアメールが使えなくても困らないというケースが増えています。
そのほか、スマホとSIMカードをセットで購入できる格安SIMの会社もあります。
スマホを買い替えたい人や、SIMフリー端末を持っていない人にとっては、セット購入ができるのは便利なポイントです。
価格もお手ごろな機種が多く、はじめてのスマホ選びとしても人気があります。
このように、格安SIMは、無駄を省いて「本当に必要なものだけを選べる」サービスです。
安さの秘密は、通信回線を借りる仕組みや、オンライン中心の運営スタイル、そして豊富なプラン設計にあります。
自分の使い方に合わせて選ぶことで、スマホ代をグッと抑えることができるのが、格安SIMの最大の魅力といえるでしょう。
格安SIMのメリットとデメリットを正直に紹介
スマホの料金を安くしたいと考えたとき、多くの人が「格安SIM」に注目します。
ただ、最近ではドコモやau、ソフトバンクといった大手キャリアも、以前に比べてずっと料金が下がってきています。
たとえば、「ahamo(アハモ)」「povo(ポヴォ)」「LINEMO(ラインモ)」といった、キャリアのオンライン専用プランは、20GB使えて月額2,000円台という手ごろな価格で提供されています。
これにより、「大手キャリア=高い」「格安SIM=安い」という単純な分け方ができなくなってきているのが現状です。
それでも、格安SIMには独自のメリットがあります。
一方で、人によっては不便に感じる部分もあるため、両方の面をしっかり理解しておくことが大切です。
格安SIMのメリット 1. 月額料金がとても安い
格安SIMのいちばんの魅力は、やはり料金の安さです。
3GBのデータ通信ができるプランでも、月額1,000円前後で使えることが多く、大手キャリアのプランと比べてもかなりの差があります。
使い方によっては、1GB以下のプランを選ぶことで、月額500円台でスマホを持つことも可能です。
電話をほとんど使わない、外での通信は少しだけという方にとっては、非常に経済的な選択肢です。
格安SIMのメリット 2. 自由なプラン選びができる
格安SIMは、さまざまなデータ容量・通話オプション・料金体系から選べるのが魅力です。
「ネットはたくさん使うけど電話はあまりしない」「家ではWi-Fiなので月1GBで十分」など、細かいニーズに合わせて選ぶことができます。
無駄のないプラン設計ができるため、「必要な分だけ使いたい」人には特に向いています。
格安SIMのメリット 3. 契約の縛りが少ない・解約がしやすい
格安SIMは、2年契約などの長期縛りがないことがほとんどです。解約金も基本的にかかりません。
試しに使ってみて、合わなければすぐに乗り換えることもできます。
契約の自由度が高いので、初めてのスマホ利用者や、コストを柔軟に調整したい方にもおすすめです。
格安SIMのデメリット 1. 通信速度が落ちる時間帯がある
格安SIMは、大手キャリアの通信回線を一部だけ借りて運営されています。
そのため、通信が混み合う昼休みや夕方などの時間帯には、通信速度が遅くなることがあります。
とくに動画を見たり、ゲームをしたりする人にとってはストレスを感じるかもしれません。
ただ、格安SIMの中でも速度に強いとされる会社もあり、ユーザーの評判や口コミをチェックすることで、ある程度は安心して選ぶことができます。
格安SIMのデメリット 2. 店舗サポートがほとんどない
格安SIM会社は、コストを下げるために実店舗を持たないことが多く、申し込みやトラブル対応は基本的にオンラインで行います。
スマホの操作に慣れていない人や、対面で相談したい方にとっては、少し不安に感じるかもしれません。
ただ、最近ではサポートページやチャットサービスも充実してきており、必要な情報はネットで見つけやすくなっています。
格安SIMのデメリット 3. キャリアメールが使えない
大手キャリアで使える「@docomo.ne.jp」などのキャリアメールは、格安SIMでは使えないことが一般的です。
代わりにGmailやYahoo!メールなどのフリーメールを使う必要があります。
最近はLINEやフリーメールをメインで使う人が多くなっているため、キャリアメールがなくても困らないケースも増えていますが、学校や会社などでキャリアメールの登録が必要な場合には注意が必要です。
格安SIMとキャリアの安いプラン、どちらがよいか?
最近は大手キャリアも、オンライン専用の低価格プランを出しています。
これらは格安SIMと同じくらいの価格帯で、なおかつ大手の安定した通信速度やサポート体制が受けられるという強みがあります。
一方で、プラン内容がシンプルで選択肢が少なかったり、オンライン限定でサポートがやや機械的であったりする場合もあります。
格安SIMは、もっと細かく料金をコントロールしたい人や、スマホ代をとにかく節約したい人に向いています。
キャリアのオンラインプランは、通信の安定性を重視する人や、なるべく手間をかけずに安く使いたい人におすすめです。
格安SIMは「スマホ代を節約したい」「必要な機能だけ使いたい」と考える人にとって、非常に強力な選択肢です。
ただし、通信速度やサポートの面では、大手キャリアとは異なる点があるため、自分の使い方に合っているかどうかをしっかり見極めることが大切ですね。
まとめ:スマホ代、もっとラクに安くできる
格安SIMは、スマホ代をおさえたい人にぴったりの選択肢です。料金が安いだけでなく、プランも自由に選べて、契約の縛りもゆるめ。ムダのない使い方ができるのが魅力です。
最近は、大手キャリアのプランも安くなってきていますが、それでも「とにかく安くスマホを使いたい」という人には、格安SIMがまだまだおすすめです。
ただ、通信速度が時間によって遅くなることがあったり、サポートがネット中心だったりと、少し気になる点もあるので、自分に合っているかをよくチェックしてから選ぶのが安心です。
スマホ代を節約したいなら、格安SIMという選択肢もぜひ検討してみてください。
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