スマホの充電が遅いとき、充電器だけを原因だと思いがちです。
しかし、充電器とスマホの間にあるUSBケーブルも、充電速度に関係します。
見た目が同じUSB-Cケーブルでも、流せる電力はすべて同じではありません。
スマホと充電器が急速充電に対応していても、ケーブルが必要な電力に対応していなければ、本来の充電性能を使えないことがあります。
急速充電では、スマホと充電器だけでなく、ケーブルまで含めて一つの充電環境として考える必要があります。
充電速度はケーブルで変わる?
充電速度はケーブルによって変わることがあります。
USBケーブルは、電気を通せれば何でも同じというものではありません。
ケーブルによって、対応できる電流や電力が違います。
たとえば充電器が65Wまで出力できても、接続したケーブルがその電力に対応していなければ、充電器の能力を十分に使えません。
反対に、スマホが20Wや30W程度までしか利用しないのであれば、それ以上の電力に対応したケーブルを使っても、ケーブルを替えただけで充電速度が上がるわけではありません。
大切なのは、
スマホと充電器が使う電力を、ケーブルがきちんと通せることです。
USB-Cケーブルは全部同じではない
USB-Cケーブルは、端子を見るだけでは性能の違いが分かりにくい製品です。
両端が同じUSB-Cでも、ケーブルによって仕様は違います。
たとえば、
- 対応できる充電電力
- 対応するデータ転送速度
- 映像出力への対応
などが異なります。
今回はスマホの充電がテーマなので、特に見るのは対応できる電力です。
「USB-Cだから急速充電できる」と考えるのではなく、そのケーブルが必要な電力に対応しているかを確認します。
ケーブルにも流せる電力の上限がある
USB-Cケーブルを探すと、商品説明に「60W」「100W」「240W」などと書かれていることがあります。
これは、そのケーブルが対応する充電電力を見る目安です。
USB-Cでは、一般的な3A対応ケーブルなら20V時に最大60Wとなります。
それを超える電力を使うには、より大きな電流に対応したケーブルが必要になります。
USB Power Deliveryでは、従来は20V・5Aを使った最大100Wまでが大きな上限でした。
現在のUSB PDではさらに拡張され、対応するUSB-Cケーブルを使うことで最大240Wまで扱えるようになっています。
ただし、スマホの充電で240Wが必要になるという意味ではありません。
重要なのは、自分が実際に使う電力以上に対応したケーブルを選ぶことです。
65W充電器に60Wケーブルを使うとどうなる?
少し分かりにくい例として、65WのUSB PD充電器と60W対応ケーブルを考えてみます。
60W対応のUSB-Cケーブルは、一般に3Aまでの給電に対応するケーブルです。
65Wの充電を行う機器では、60Wを超える電力を使うために5A対応ケーブルが必要になる場合があります。
そのため、65Wまで使うノートパソコンなどで充電器の性能を十分に利用したいなら、60W対応ケーブルではなく、より高出力に対応したケーブルを選びます。
市場では「100W対応」と表示されたUSB-Cケーブルが多く販売されています。
こうした5A対応ケーブルなら、65W充電器と組み合わせる用途にも向いています。
一方、スマホが最大30W程度しか使わないのであれば、65W充電器と60W対応ケーブルを組み合わせても、スマホの充電ではケーブルが原因で性能が落ちることは通常ありません。
充電器が65Wだから、必ず65W対応のケーブルが必要なのではありません。
実際に充電する機器が何Wを必要とするかで決まります。
急速充電はスマホ・充電器・ケーブルの組み合わせで決まる
急速充電では、一つの製品だけを見ても充電速度は決まりません。
必要なのは、
- 急速充電に対応したスマホ
- 必要な出力と規格に対応した充電器
- 必要な電力を流せるケーブル
です。
たとえば、スマホが30Wの急速充電に対応し、充電器も30W以上のUSB PDに対応しているとします。
この場合、ケーブルも30W以上の充電に問題なく使えるものであれば、必要な条件がそろいます。
逆に、どのような仕様か分からない古いケーブルを使っていると、スマホと充電器が対応していても、本来の充電性能が出ないことがあります。
急速充電では、ケーブルも充電性能を決める一部です。
何W対応のケーブルを選べばいい?
ケーブルを選ぶときは、まずスマホがどの程度の電力で充電できるかを確認します。
次に、使う充電器の出力を確認します。
そのうえで、必要な電力以上に対応したケーブルを選びます。
たとえばスマホが20Wや30W程度の急速充電に対応しているなら、60W対応のUSB-Cケーブルでも十分な余裕があります。
スマホだけに使うなら、必ずしも100Wや240W対応ケーブルが必要になるわけではありません。
一方で、
- 65Wクラスのノートパソコンにも使う
- より高出力なUSB PD充電器を使う
- 1本のケーブルを複数の機器で使い回したい
なら、5A給電に対応した高出力向けケーブルを選んでおくと使いやすくなります。
実際の商品では「100W対応」と表示されているものが多く、このクラスなら65W充電にも使いやすいです。
100W対応ケーブルをスマホに使っても大丈夫?
100W対応と書かれたケーブルを見ると、スマホには大きすぎるように感じるかもしれません。
しかし、ケーブルが100Wに対応しているからといって、スマホへ100Wが強制的に流れるわけではありません。
100Wという数字は、そのケーブルが対応できる電力の上限を示しています。
実際の充電電力は、スマホと充電器が対応する範囲で決まります。
たとえばスマホが20W程度で充電するなら、100W対応ケーブルを使っても20W程度の範囲で充電します。
そのため、スマホへ100W対応ケーブルを使うこと自体に問題はありません。
スマホだけを考えれば余裕が大きいですが、タブレットやノートパソコンにも同じケーブルを使えるという利点があります。
ケーブルが長いと充電速度は変わる?
USBケーブルには、50cm程度の短いものから、2m以上の長いものまであります。
一般に、ケーブルは長くなるほど電気抵抗の影響を受けやすくなります。
ただし、実際の性能は長さだけでは決まりません。
ケーブルの太さや内部構造、品質なども関係します。
そのため、「長いケーブルだから充電が遅い」と単純に判断する必要はありません。
必要な電力にきちんと対応した製品であれば、自分が使いやすい長さを選ぶほうが実用的です。
机の上なら1m。
コンセントから離れた場所で使うなら2m。
といったように、使う場所に合わせます。
古いケーブルや傷んだケーブルにも注意
ケーブルの仕様だけでなく、状態も確認します。
長く使っているケーブルでは、内部やコネクター部分が傷んでいることがあります。
たとえば、
- 充電が途中で切れる
- ケーブルを動かすと充電できたりできなかったりする
- コネクターが曲がっている
- ケーブルの被覆が破れている
- 異常に熱くなる
といった状態です。
このようなケーブルは、充電速度以前に交換を考えたほうがよいでしょう。
充電が遅くなったと感じたときに、充電器だけでなく別のケーブルでも試してみると、原因を切り分けやすくなります。
手元のケーブルではどこを見ればいい?
ケーブルの性能は、見た目だけでは分からないことがあります。
まず確認しやすいのは、購入時のパッケージや商品ページです。
そこに、
- 60W対応
- 100W対応
- 240W対応
- 5A対応
- USB PD対応
などと書かれていないか確認します。
ケーブル本体やコネクター部分に対応電力が書かれている製品もあります。
一方、昔購入したケーブルでメーカーや型番も分からず、対応電力も確認できない場合があります。
そのケーブルで急速充電できているか分からないなら、仕様の確認できるケーブルへ交換すると判断しやすくなります。
USB-Cという見た目だけではなく、何Wまで対応しているかを見る。
これが充電用ケーブルを確認するときのポイントです。
迷ったらどんなUSB-Cケーブルを選べばいい?
スマホ用として新しくケーブルを買うなら、難しく考えすぎる必要はありません。
確認するのは、
- USB-C to USB-C
- USB PDでの充電に使える
- スマホに必要なW数以上に対応している
- 信頼できるメーカーの製品
- 自分が使いやすい長さ
です。
スマホだけなら60W対応でも十分な場合が多くあります。
ただ、これから1本購入して長く使うなら、より高出力に対応したケーブルを選ぶ方法もあります。
特に65Wクラスの充電器を持っている、またはノートパソコンにも使いたいなら、市場で「100W対応」として販売されている5A対応USB-Cケーブルは使いやすい選択です。
スマホでは必要な電力だけを使い、必要になれば65Wクラスの機器にも流用できます。
高いW数のケーブルを買えば充電が速くなるのではなく、必要な電力を確実に流せるケーブルを選ぶことが重要です。
まとめ|急速充電ではケーブルも性能の一部
USB-Cケーブルは、見た目が同じでも性能がすべて同じではありません。
ケーブルにも対応できる電力があります。
スマホと充電器が急速充電に対応していても、ケーブルが必要な電力を流せなければ、本来の充電性能を利用できないことがあります。
ケーブルを選ぶときは、
- スマホが必要とするW数を確認する
- 充電器の出力を確認する
- その電力以上に対応したケーブルを選ぶ
という順番で考えます。
スマホだけなら、必要以上に高出力なケーブルを選ぶ必要はありません。
ただし、65W充電器やノートパソコンにも使うなら、高出力に対応したUSB-Cケーブルを選んでおくと使い回しやすくなります。
急速充電では、スマホと充電器だけでなく、ケーブルまで含めて一つの充電環境として考える。
必要な電力をきちんと流せるケーブルを選ぶことが、本来の充電性能を使うための基本です。
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