スマホの「急速充電」は、普通の充電より短い時間でバッテリーを充電するための仕組みです。
ただし、急速充電に対応したスマホを買えば、それだけで充電が速くなるわけではありません。
必要なのは、
- 急速充電に対応したスマホ
- 必要な出力や規格に対応した充電器
- 必要な電力を流せるケーブル
この3つです。
急速充電は、スマホだけの機能ではありません。スマホ・充電器・ケーブルの組み合わせで成立します。
スマホの急速充電とは?
急速充電とは、普通の充電より大きな電力をスマホへ送り、バッテリーを短い時間で充電する仕組みです。
充電に使う電力の大きさは、W(ワット)で表します。
たとえば5Wで充電する場合と、20Wで充電する場合では、スマホへ送れる電力の大きさが違います。
スマホ側が20Wの充電に対応していれば、条件がそろった充電器とケーブルを使うことで、5Wの充電より短い時間でバッテリーを充電できます。
これが、急速充電の基本です。
ただし、20Wに対応しているスマホへ20W以上の充電器をつないだからといって、いつでも20Wで充電されるわけではありません。
バッテリー残量や本体の温度などによって、スマホ側が充電する電力を調整します。
普通の充電と急速充電は何が違う?
普通の充電と急速充電の大きな違いは、スマホへ供給できる電力です。
電力が大きければ、同じ時間でもバッテリーへ多くの電力を送れます。
そのため、急速充電に対応したスマホでは、バッテリー残量が少ない状態から短時間で残量を増やしやすくなります。
たとえば外出前にスマホのバッテリーが少ないことに気づいたとき、30分程度でもある程度の残量まで戻せるのが急速充電の便利なところです。
一方で、充電開始から100%になるまで、ずっと同じ速度で充電するわけではありません。
満充電に近づくにつれて充電速度を落とすスマホもあります。
そのため、急速充電は「100%まで何倍もの速度で充電する仕組み」というより、必要なときに大きな電力を使って効率よく充電する仕組みと考えたほうが分かりやすいです。
急速充電はなぜ速い?
充電器の表示を見ると、V(ボルト)、A(アンペア)、W(ワット)という単位が出てきます。
電力は、次の関係で決まります。
電圧(V)×電流(A)=電力(W)
たとえば、5V・1Aなら5Wです。
5V・3Aなら15Wになります。
急速充電では、スマホと充電器が対応する範囲で、より大きな電力を使って充電します。
ただし、充電器が一方的に大きな電力を流し込むわけではありません。
スマホと充電器の間で、利用できる電圧や電流を確認しながら充電します。
そのため、100Wの充電器に20W程度まで対応したスマホをつないでも、スマホが100Wを受け取るわけではありません。
スマホが利用できる範囲で充電されます。
急速充電には3つの条件が必要
急速充電を利用するには、スマホだけを見るのではなく、充電器とケーブルまで確認します。
スマホが急速充電に対応している
最初の条件はスマホです。
スマホには、それぞれ対応している充電方式や充電できる電力の上限があります。
急速充電に対応していないスマホへ高出力の充電器をつないでも、そのスマホが対応している範囲でしか充電できません。
まず、自分のスマホがどのような急速充電に対応しているのかを確認する必要があります。
充電器が必要な出力や規格に対応している
スマホが急速充電に対応していても、充電器の出力が足りなければ急速充電できません。
たとえば、20W程度で充電できるスマホを使っていても、昔から使っている5Wの充電器をつないでいれば、充電器側がボトルネックになります。
新しいスマホへ買い替えたのに充電時間があまり変わらない場合は、以前から使っている充電器を確認してみる価値があります。
ケーブルも対応している必要がある
見落としやすいのがUSBケーブルです。
見た目が同じUSB-Cケーブルでも、対応できる電力はすべて同じではありません。
充電器が十分な出力に対応していても、ケーブルが必要な電力に対応していなければ、本来の充電性能を使えない場合があります。
つまり、
スマホ + 充電器 + ケーブル
の3つを一組として考える必要があります。
USB PDは急速充電で使われる代表的な規格
スマホの急速充電でよく目にするのが「USB PD」です。
PDは「Power Delivery」の略です。
USB-Cを使い、対応する機器同士で必要な電力をやり取りするための規格です。
スマホだけでなく、タブレットやノートパソコンなどでも使われています。
USB PDでは、スマホと充電器が対応する電力を確認し、その範囲で充電します。
そのため、スマホより大きな出力を持つUSB PD充電器を使うこと自体は珍しくありません。
ただし、ここでも重要なのは組み合わせです。
端子がUSB-Cだから、必ずUSB PDで急速充電できるわけではありません。
USB-Cは端子の形です。
USB PDは電力をやり取りするための規格です。
スマホ、充電器、ケーブルが必要な条件を満たしているかを確認します。
どれか一つが対応していなければ急速充電にならない
急速充電で分かりにくいのは、見た目だけでは判断しにくいところです。
たとえば、急速充電に対応したスマホを使っていても、古い低出力の充電器を使えば充電は遅くなります。
高出力の充電器へ交換しても、ケーブルが必要な条件を満たしていなければ、本来の性能を使えない場合があります。
USB-Cの充電器とUSB-Cケーブルを使っていても、必要な急速充電規格に対応しているとは限りません。
一つ一つの製品を見ると問題がなさそうでも、組み合わせたときに条件がそろっていなければ急速充電にはなりません。
実際に充電器やケーブルを替えると違いが出る
手元のGalaxy A53 5Gでも、充電器やケーブルを替えながら充電を試しています。
同じスマホを使っていても、組み合わせによって充電の進み方は同じではありません。
スマホを買い替えただけでは、充電環境全体が新しくなるわけではないからです。
以前から使っていた充電器やケーブルをそのまま使えば、そこが充電速度の上限になることがあります。
これは、急速充電を理解するときに重要なところです。
「このスマホは急速充電対応」と書かれているだけでは、実際に急速充電できるかは決まりません。
何をつないでいるのかまで見て、初めて充電環境が分かります。
今後、充電器やケーブルごとの充電時間も実際に測定して、違いを確認していきます。
急速充電できているかは何を確認すればいい?
自分のスマホで急速充電を使いたいなら、次の順番で確認すると分かりやすいです。
- スマホが対応する急速充電規格を確認する
- スマホが必要とする充電出力を確認する
- 充電器の対応規格と最大出力を確認する
- ケーブルが必要な電力に対応しているか確認する
スマホによっては、充電中の画面に「急速充電」などと表示されることもあります。
ただし、表示方法は機種によって違います。
まずはスマホ、充電器、ケーブルの仕様を確認するのが基本です。
まとめ|急速充電は3つの条件がそろって成立する
スマホの急速充電は、普通の充電より大きな電力を使い、短い時間でバッテリーを充電するための仕組みです。
ただし、急速充電対応スマホだけを用意すればよいわけではありません。
必要なのは、
- 急速充電に対応したスマホ
- 必要な出力や規格に対応した充電器
- 必要な電力に対応したケーブル
の3つです。
スマホだけが対応していても、古い充電器を使っていれば速度は上がりません。
高出力の充電器を用意しても、ケーブルが条件を満たしていなければ本来の性能を使えないことがあります。
急速充電は、スマホ・充電器・ケーブルを一つの組み合わせとして考える。
これが分かれば、自分のスマホの充電がなぜ速いのか、なぜ遅いのかも判断しやすくなります。
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