スマホ代を安くしたい。
そんなとき、候補に入るのが格安SIMです。
大手キャリアから格安SIMへ乗り換えると、毎月の通信費を下げられることがあります。
ただ、安さだけで決めるのはおすすめしません。
大手キャリアと格安SIMでは、
- 月額料金
- 混雑時の通信速度
- サポート
- 故障したときの対応
- 取り扱うサービス
などに違いがあります。
料金を抑えたいなら格安SIM。
通信の快適さや、困ったときの手厚さを重視するなら大手キャリア。
自分が何を重視するかで選ぶのが基本です。
大手キャリアと格安SIMは何が違う?
大きな違いは、通信サービスを提供する仕組みです。
ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなどは、自社で携帯電話の通信設備を持っています。
こうした通信事業者はMNOと呼ばれます。
一方、mineoやIIJmio、イオンモバイルなどの多くの格安SIM事業者は、大手キャリアの回線を借りてサービスを提供しています。
こちらはMVNOと呼ばれます。
「格安SIM」という言葉に厳密な定義があるわけではありません。
一般には、こうしたMVNOが提供する低料金の通信サービスを指すことが多くなっています。
格安SIMでも大手キャリアの電波を使っている
格安SIMにすると、電波そのものが弱くなると思われることがあります。
実際には、MVNOの格安SIMはドコモやauなどの回線を借りて使っています。
ドコモ回線を使う格安SIMなら、基本となるサービスエリアもドコモ回線に準じます。
違いが出やすいのは、電波の強さよりデータ通信の速度です。
MVNOは、大手キャリアから借りた設備を通してデータ通信を行います。
利用者が集中すると、ここが混雑します。
そのため、
- 昼休み
- 朝夕の通勤時間
- 夜間
などに、Webページの表示や動画の読み込みが遅くなることがあります。
格安SIMでよく言われる「遅い」は、主にこの部分です。
格安SIMだと電話もつながりにくくなる?
ここは混同しやすいところです。
格安SIMでデータ通信が遅くなることがあっても、そのために普通の電話までつながりにくくなるわけではありません。
070・080・090から始まる携帯電話番号を使った通常の音声通話は、インターネットのデータ通信とは分けて扱われます。
昼休みにWebサイトの表示が遅くなっていても、同じ理由で通常の電話までつながりにくくなるわけではありません。
一方、
- LINE通話
- FaceTime
- Zoom
- Google Meet
などはインターネット回線を使います。
こちらはデータ通信です。
回線が混雑すると、音声が途切れたり、映像が乱れたりすることがあります。
なお、携帯電話番号には今後「060」も追加される予定です。
当初は2026年7月以降に提供開始する予定でしたが、通信各社は開始時期を延期しています。2026年8月時点では、新しい開始時期はまだ決まっていません。
月額料金は格安SIMが安くなりやすい
格安SIMの一番分かりやすいメリットが料金です。
特に、
- 毎月数GBしか使わない
- 自宅ではWi-Fiを使う
- 長電話をあまりしない
という人なら、通信費を下げやすくなります。
格安SIMには、数GB程度の小容量プランが多くあります。
大容量を必要としない人にとっては、この選択肢の多さが大きなメリットです。
ただし、
大手キャリアは高い。格安SIMは必ず安い。
と決めつけるのも違います。
大手キャリアにも低料金のプランがあります。
たとえばahamoは、2026年8月時点で30GBを月額2,970円で利用でき、5分以内の国内通話も料金に含まれています。
また、
- 家族割引
- 光回線とのセット割
- 通話オプション
- 各種特典
まで含めると、単純な月額料金だけでは比較できません。
まず確認したいのは、今いくら払っていて、毎月何GB使っているか。
そこが分かれば、必要なプランも絞りやすくなります。
通信速度は大手キャリアが有利になりやすい
格安SIMとの違いが出やすいのが、混雑時のデータ通信です。
大手キャリアは自社の通信設備を使ってサービスを提供します。
MVNOは、大手キャリアから借りた設備を使って利用者にサービスを提供します。
利用者が集中すると、格安SIM側で通信が混雑しやすくなります。
特に昼休みは差が出やすい時間帯です。
Webサイトを見る程度なら問題なくても、
- 高画質の動画を見る
- 大きなファイルをダウンロードする
- テザリングで仕事をする
といった使い方では、遅さを感じることがあります。
ただし、すべての格安SIMが同じ速度ではありません。
事業者、契約する回線、地域、時間帯によって変わります。
「格安SIMだからいつでも遅い」というわけでもありません。
店頭サポートは大手キャリアが充実している
大手キャリアの強みのひとつが店舗です。
契約や機種変更だけでなく、
- 料金プランの相談
- スマホの操作
- 各種手続き
- 故障時の相談
などを店頭で相談できます。
格安SIMはオンライン中心のサービスが多くなっています。
申し込みだけでなく、SIMの入れ替えや初期設定も自分で行うケースがあります。
その分、店舗運営などにかかる費用を抑えられます。
これが料金を安くしやすい理由のひとつです。
もちろん、格安SIMでも店舗や提携店を用意している会社はあります。
電話、チャット、メールなどのサポートもあります。
格安SIMにはサポートがない、という意味ではありません。
違うのは、
どこまで自分でやる必要があるか。
ここです。
スマホの設定を自分で進められるなら、オンライン中心でも困る場面は少なくなります。
お店で直接相談したいなら、店舗サポートのあるサービスを選んだほうが楽です。
故障したときの対応も比べておきたい
スマホは毎日使うものです。
何年も使っていれば、故障することもあります。
画面を割る。
水に濡らす。
突然、電源が入らなくなる。
充電できなくなる。
こうしたトラブルが起きたときにどうするかも、通信会社を選ぶうえでは大切です。
大手キャリアには、端末の補償サービスがあります。
たとえばドコモでは、契約時期や端末によって利用する補償サービスが異なります。
対象となる故障や水濡れ、全損などが起きたときに、負担金を支払って交換電話機を用意してもらえる仕組みがあります。
交換される端末はリフレッシュ品です。
同じ機種やカラーが用意できない場合は、別の機種やカラーになることもあります。
交換電話機は、申し込み後すぐに発送される仕組みも用意されています。
ドコモの案内では、利用している補償サービスによって、申し込み当日から2日程度、または翌日から2日程度で交換電話機が提供されます。
こうしたサービスの良さは、修理代だけではありません。
壊れるたびに、自分で次のスマホを探して買い直さなくていい。
ここに価値を感じる人もいます。
スマホが壊れたら、その都度安い端末を探して買えばいい。
そう考える人なら、手厚い補償は必要ありません。
一方で、
- 突然スマホが使えなくなると困る
- 故障するたびに新しい機種を探したくない
- 修理や交換の手続きをなるべくまとめて任せたい
- 多少お金がかかっても、すぐ使える状態へ戻したい
という人には、端末補償も大きなメリットです。
スマホは通信料金だけで使うものではありません。
壊れたときまで含めて、毎日のスマホ環境です。
格安SIMへ乗り換えるときも、月額料金だけでなく、端末が故障したときにどうするのかまで考えておくと安心です。
格安SIMへ乗り換えてもスマホはそのまま使える?
格安SIMへ乗り換えるために、必ずしもスマホを買い替える必要はありません。
今使っているスマホを、そのまま利用できることも多くあります。
ただし、SIMを入れ替えれば何でも使えるわけではありません。
確認したいのは、
- 乗り換え先の動作確認端末に入っているか
- 利用する回線の周波数に対応しているか
- SIMカードやeSIMに対応しているか
- SIMロックが残っていないか
です。
特に古いスマホや中古スマホを使う場合は、事前確認が大切です。
SIMロックが解除されていても、利用する回線の周波数に十分対応していなければ、使えるエリアが狭くなったり、通信しにくくなったりすることがあります。
乗り換え先の公式サイトに「動作確認端末」の一覧があるなら、契約前に機種名を確認します。
SIMカードとeSIMの違い
スマホで通信会社の回線を使うには、契約情報が必要です。
その方法には、
SIMカード
と
eSIM
があります。
SIMカードは、スマホに差し込んで使う小さなカードです。
eSIMは、スマホ本体に内蔵された仕組みに契約情報を書き込みます。
eSIMなら、SIMカードが郵送されてくるのを待たずに開通できるサービスもあります。
ただし、すべてのスマホがeSIMに対応しているわけではありません。
通信会社側も、すべてのサービスでeSIMを利用できるとは限りません。
申し込む前に、
- スマホがeSIMに対応しているか
- 契約するサービスがeSIMに対応しているか
を確認します。
キャリアメールは乗り換え後も使える
以前は、大手キャリアを解約すると、
- @docomo.ne.jp
- @ezweb.ne.jp
- @au.com
- @softbank.ne.jp
などのキャリアメールは使えなくなるのが一般的でした。
現在は、乗り換え後もメールアドレスを引き続き使えるサービスがあります。
たとえばドコモの「ドコモメール持ち運び」は月額330円です。
原則としてドコモ回線の解約から31日以内に申し込む必要があります。
キャリアメールを、
- 銀行
- クレジットカード
- 通販サイト
- 各種会員サービス
などに登録しているなら、乗り換える前に確認しておきます。
Gmailなどへ移していく方法もあります。
通信会社を変えても使い続けられるメールアドレスへ少しずつ移しておけば、次に乗り換えるときも楽になります。
大手キャリアが向いている人
大手キャリアが向いているのは、料金以外の部分も重視する人です。
たとえば、
- 混雑時も通信速度を重視したい
- 外出先で大容量通信をよく使う
- 店舗で相談したい
- スマホの設定を自分でするのが苦手
- 故障時の修理や交換をできるだけ任せたい
- 家族割引やセット割を使っている
といった人です。
特に仕事や生活でスマホを毎日使うなら、月額料金の差だけで決める必要はありません。
月に1,000円安くなっても、故障したときに何日もスマホが使えなくなれば困る人もいます。
通信速度が落ちることで困る人もいます。
お店で相談できることに価値を感じる人もいます。
何にお金を払っているのか。
そこまで考えると、大手キャリアを使い続ける理由も見えてきます。
格安SIMが向いている人
格安SIMが向いているのは、通信費を抑えたい人です。
特に、
- 毎月のデータ使用量が少ない
- 自宅や職場ではWi-Fiを使う
- オンラインで申し込みできる
- SIMの交換や設定を自分でできる
- 店頭サポートをあまり使わない
- 故障時の端末手配も自分でできる
という人とは相性がよいです。
たとえば毎月3GBしか使っていないのに、大容量プランを契約しているなら、その容量はほとんど余っています。
必要な容量に合ったプランへ変更するだけでも、通信費を下げられます。
端末が壊れても、自分で中古端末や新品を選び、SIMを差し替えて使える。
そこまで自分でできるなら、格安SIMの安さを生かしやすくなります。
大手キャリアと格安SIMを比べる
| 比較するところ | 大手キャリア | 格安SIM |
|---|---|---|
| 月額料金 | 高くなることがある | 安くしやすい |
| 小容量プラン | 選択肢が少ない場合がある | 豊富 |
| 混雑時のデータ通信 | 比較的安定しやすい | 遅くなることがある |
| 通常の音声通話 | 利用できる | 利用できる |
| 店頭サポート | 充実している | 少ないサービスが多い |
| 初期設定 | 店頭で相談しやすい | 自分で行うことが多い |
| 故障時の対応 | 補償や店舗を利用しやすい | 自分で対応する場面が増えやすい |
| キャリアメール | 標準で利用できる場合がある | 持ち運びサービスなどを利用 |
| 端末 | セット販売や補償が充実 | 持ち込み利用もしやすい |
料金だけを見るなら、格安SIMは魅力的です。
ただ、安ければそれでよいわけではありません。
逆に、大手キャリアを使っているから損をしているとも限りません。
大切なのは、
自分に必要なものに、納得してお金を払っているか。
です。
まず確認したいのは、
- 毎月いくら払っているか
- 毎月何GB使っているか
- 混雑時の通信速度を重視するか
- 店頭サポートを使うか
- スマホが壊れたとき、自分で対応できるか
- 家族割引やセット割を使っているか
このあたりです。
データ通信をほとんど使わず、困ったときも自分で調べて対応できるなら、格安SIMへ乗り換えるメリットは大きくなります。
反対に、
通信速度を重視する。
困ったら店で相談したい。
スマホが壊れたら、なるべく簡単に交換して使い続けたい。
そういう人なら、大手キャリアを選ぶ理由があります。
安さだけで選ばず、自分がスマホをどう使いたいかで選ぶ。
それが、大手キャリアと格安SIMを比べるときの基本です。
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