スマホや充電器の記事を書くなら、「急速充電できた」というだけではなく、実際に何V・何A・何Wで充電しているのかまで確認したい。
そこで購入したのが、ChargerLABのUSBテスター「POWER-Z KM003C」です。
KM003Cは、電圧・電流・電力の測定だけでなく、USB PDの確認やPDO、E-marker、各種充電プロトコルの確認、測定データの保存などにも対応しています。
実際にNintendo SwitchやGalaxyをつないで使ってみると、普段は見えない充電の状態が数字ではっきり確認できました。
KM003Cは、充電器・ケーブル・機器が実際にどのような条件でつながっているのかを確認するための測定器として使いやすい製品です。
安いUSBテスターではなくKM003Cを選んだ理由
USBの電圧や電流を測るだけなら、もっと安いUSBテスターもあります。
それでもKM003Cを選んだのは、単に「何V・何A・何W流れているか」を見るだけでは足りないと思ったからです。
スマホや充電器の記事を書くなら、
- 本当にUSB PDで接続されているか
- 充電器がどのPDOを持っているか
- USB-CケーブルにE-markerが入っているか
- どの急速充電プロトコルに対応しているか
- 充電中に電力がどう変化するか
といったところまで確認したくなります。
KM003Cなら、こうした情報を一台で確認できます。
価格だけを見るとUSBテスターとしては安くありません。
ただ、安い測定器を購入したあとで、PDOやE-marker、PCでの記録まで確認したくなれば、別の機器が必要になります。
それなら最初から、今後の充電器やケーブルの記事でも長く使えるものを選んだほうがよいと考えました。
今回の目的は、充電できるかどうかを見ることではなく、実際にどんな条件で充電しているのかを確認することです。
そのための測定器としてKM003Cを選びました。
POWER-Z KM003Cを開封
KM003Cは、白い外箱に入っています。
中には金属製の収納ケースがあり、その中にKM003C本体がスポンジで保護された状態で収められていました。
USBテスターというと簡素な包装を想像していましたが、収納ケースまで付属しているのは意外でした。
持ち運ぶ機会がある場合にも、本体をそのままバッグへ入れずに済みます。
本体は小さく、実測重量は17.0g
KM003C本体はかなり小型です。
手元のはかりで、USB-C端子の保護キャップを外した状態を測ったところ、重量は17.0gでした。
充電器とスマホの間に入れて使う機器なので、大きく重いと扱いにくくなります。
KM003Cは、実際に接続して使ってみても、それほど邪魔になる大きさではありませんでした。
本体にはUSB-C端子と4つの操作ボタンがある
本体正面にはカラー画面があります。
側面には4つの物理ボタンがあり、メニューの移動や決定などはこのボタンで操作します。
タッチパネルではありません。
USB-C端子は、測定する機器を接続するための端子に加えて、PCとの接続などに使う独立したUSB-C端子も用意されています。
PC接続用の端子が測定系とは別になっているため、測定しながらPCと接続することもできます。
最初に中国語か英語を選ぶ
KM003Cを最初に起動すると、表示言語を選択します。
選べるのは中国語と英語です。
日本語表示はないため、今回は英語を選びました。
電圧や電流などを見るだけなら、英語表示でもそれほど難しくありません。
ただし、PDOやE-marker、各種プロトコル関連の機能まで使う場合は、英語の項目名に少し慣れる必要があります。
まずNintendo Switchを測定してみた
最初に、AnkerのモバイルバッテリーとNintendo Switchの間にKM003Cを入れて測定しました。
このときSwitchは100%まで充電された状態でした。
KM003Cでは、約15Vで接続され、USB PD 3.0で通信していることを確認できました。
ただし、Switchは満充電だったため、実際に流れていた電流はごく小さく、電力も約1W程度でした。
ここで面白かったのは、単に「充電できた」と分かるだけではないことです。
USB PDで接続され、どのくらいの電圧が使われているのかまで確認できました。
これは普通にケーブルをつないでいるだけでは分からない情報です。
Galaxyでは約21Wで充電していた
次に、多摩電子工業の最大65W対応充電器とGalaxyを接続して測定しました。
Galaxyのバッテリー残量は6%でした。
このときKM003Cでは、およそ次の値を確認できました。
- 電圧:約8.9V
- 電流:約2.4A
- 電力:約21W
- USB PD 3.0
充電器自体は最大65Wに対応しています。
しかし、Galaxyへ65Wがそのまま流れているわけではありません。
実際にはGalaxy側が必要とする範囲で、約21Wの電力が流れていました。
高出力の充電器を使っても、対応するスマホへ最大出力がそのまま押し込まれるわけではないことを、実測で確認できました。
KM003Cを使うメリットが分かりやすかった測定です。
充電が進むと電力も変化する
Galaxyの充電をそのまま続けていると、電力は一定ではありませんでした。
残量が少ないときには20W前後で充電していましたが、充電が進むにつれて電力は下がっていきました。
充電が終了すると、電流は0A、電力もほぼ0Wになりました。
急速充電というと「最初から最後まで同じW数で充電する」と考えたくなりますが、実際には充電状態に合わせて変化しています。
KM003Cでは、その変化も画面上で確認できます。
本体だけでも電圧と電流の変化をグラフ表示できる
KM003Cには、電圧と電流の変化を本体画面上でグラフ表示する機能があります。
数値だけでなく、短時間の変化を目で追えるため、接続状態が変わった瞬間なども確認できます。
測定中に電圧や電流が一時的に変化した場合も、グラフを見ることで変化したタイミングが分かります。
測定データは本体にも保存できる
設定画面には「Storage」があり、測定データを本体側に保存できます。
保存間隔は、確認した範囲では次のように設定できました。
- 1秒
- 5秒
- 10秒
- 20秒
- 30秒
- 60秒
また、記録開始条件も設定できます。
たとえば、電流が10mA、50mA、100mA、200mA、500mAを超えたら記録を開始するといった設定が用意されています。
手動開始も選べます。
スマホを充電し始めたら自動的に記録を開始する、といった使い方ができそうです。
長時間の充電状態を記録する場合には便利な機能です。
PC用ソフトでもリアルタイム表示できる
KM003CにはPC用のPOWER-Zソフトも用意されています。
実際にWindows PCへインストールしてKM003Cを接続すると、PC側でも電圧・電流・電力をリアルタイムで確認できました。
それぞれの変化もグラフで表示されます。
最初は中国語表示になっていましたが、設定から英語へ変更できました。
PCへ接続するときに注意したいのがUSBケーブルです。
充電専用ではなく、データ通信に対応したUSBケーブルが必要です。
給電だけできるケーブルでは、KM003Cに電源が入ってもPCから認識できない場合があります。
ここで触れていない機能も多い
今回の初期レビューでは、電圧・電流・電力の測定や、本体・PCでの表示を中心に確認しました。
KM003Cには、このほかにもさまざまな機能があります。
たとえば、USB PD対応充電器が持っている出力条件を確認するPDOの表示があります。
USB-CケーブルのE-marker情報を確認する機能もあります。
さらに、USB PDやQuick Chargeなどの急速充電プロトコルの確認、USB PDで行われている通信の解析などにも対応しています。
今回は、こうした機能までは詳しく検証していません。
今後、充電器やUSB-Cケーブルを実際に測りながら順番に確認していく予定です。
初期レビューでやってみてどうだったか
最初に使ってみた印象は、思っていた以上に情報量の多い測定器でした。
電圧・電流・電力を見るだけなら、もっと安いUSBテスターでもできます。
しかしKM003Cでは、USB PDで接続されているか、どのくらいの電圧が使われているかといったところまで、その場で確認できます。
今回、最大65W対応の充電器とGalaxyを接続したところ、実際には約21Wで充電されていました。
充電が進むにつれて電力が下がり、最後にはほぼ0Wになるところも確認できました。
こうした動きを実際の数値で見られるのは、充電器やスマホの記事を書くうえで大きなメリットです。
一方で、機能はかなり多く、購入してすぐにすべてを使いこなせる測定器ではありません。
PDO、E-marker、プロトコル解析などは、これから使いながら覚えていく必要があります。
価格も一般的なUSBテスターより高めです。
それでも、スマホの充電状態を詳しく調べたいのであれば、単にW数を見るだけのUSBテスターよりできることはかなり多くなります。
充電器・ケーブル・スマホが実際にどのような条件でつながっているのかを調べたい。
KM003Cは、そのための測定器として十分使えそうです。
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