USB PDは、スマホの急速充電でよく使われる規格のひとつです。
PDは「Power Delivery」の略です。
USB-Cを使って、充電器とスマホなどの機器が、どのくらいの電力を使えるか確認しながら充電します。
そのため、USB PDは単純に「大きな電力を流す仕組み」ではありません。
USB PDは、充電器と機器が対応する範囲を確認し、必要な電力で充電するための規格です。
USB PDとは?
USB PDは、USBを使って電力を供給するための規格です。
スマホだけでなく、
- タブレット
- モバイルバッテリー
- ノートパソコン
などでも使われています。
従来のUSB充電では、比較的小さな電力で充電するものが多くありました。
USB PDでは、対応する機器同士を組み合わせることで、より大きな電力を使った充電ができます。
スマホなら急速充電に使えます。
さらに大きな電力を必要とするノートパソコンなどにも、同じUSB-C端子を使って給電できます。
ただし、USB PD対応の充電器をつなげば、どんな機器にも同じ電力が流れるわけではありません。
接続した機器が利用できる範囲に合わせて充電します。
USB-CとUSB PDは同じではない
USB PDを理解するときに、まず分けて考えたいのがUSB-Cです。
USB-Cは端子の形です。
上下の向きを気にせず差し込める、小さな楕円形の端子です。
一方、
USB PDは電力をやり取りするための規格です。
そのため、USB-C端子が付いているからといって、必ずUSB PDによる急速充電が使えるわけではありません。
見た目が同じUSB-Cでも、機器や充電器によって対応している機能は違います。
USB-Cケーブルも同じです。
端子の形が同じでも、対応できる電力や機能は製品によって違います。
USB-Cだから急速充電できるのではなく、USB PDに対応した機器を組み合わせることで急速充電できます。
USB PDでは機器同士が充電条件を決める
USB PDの大きな特徴は、充電器が一方的に大きな電力を流すわけではないことです。
充電器には、供給できる電圧や電流の組み合わせがあります。
スマホ側にも、受け取れる電力の範囲があります。
USB PDでは、接続した機器同士が対応している条件を確認し、その範囲で充電します。
たとえば、充電器が最大65Wまで出力できたとしても、スマホがそれほど大きな電力を必要としなければ、65Wをそのままスマホへ流すわけではありません。
スマホが対応している範囲で充電されます。
反対に、スマホが急速充電に対応していても、充電器側の出力が小さければ、そこが上限になります。
つまりUSB PDでは、
充電器が出せる電力と、スマホが受け取れる電力の両方が関係します。
どちらか一方だけを見ても、実際の充電速度は決まりません。
高出力のUSB PD充電器をスマホに使っても大丈夫?
スマホ用として20Wや30W程度の充電器を見ていると、65Wや100Wと書かれた充電器は大きすぎるように見えます。
「そんなに大きな電力をスマホへ流して大丈夫なのか」と思うかもしれません。
USB PDでは、充電器の最大出力がそのままスマホへ流れるわけではありません。
スマホが受け取れる範囲に合わせて充電します。
そのため、スマホより高出力のUSB PD充電器を使うこと自体は珍しい使い方ではありません。
ただし、高出力の充電器に替えれば、その分だけスマホの充電速度が上がるわけでもありません。
スマホ側が利用できる電力には上限があります。
20W程度まで利用するスマホへ、さらに高出力の充電器をつないでも、そのスマホの上限を超えて充電されるわけではありません。
充電器の最大W数と、実際にスマホが使うW数は別です。
USB PDで急速充電するには3つの条件が必要
USB PDによる急速充電を使うには、充電器だけが対応していても足りません。
確認するのは、
- スマホ
- 充電器
- USB-Cケーブル
の3つです。
スマホがUSB PDに対応している
まずスマホ側がUSB PDによる充電に対応している必要があります。
対応している充電方式や受け取れる電力は、機種によって違います。
新しいスマホだから必ず同じ条件で急速充電できる、というわけではありません。
充電器がUSB PDに対応している
充電器側もUSB PDに対応している必要があります。
USB-C端子が付いた充電器でも、製品によって対応する規格や最大出力は違います。
商品説明や本体の表示に「PD」「Power Delivery」などの記載があるか確認します。
ケーブルが必要な電力に対応している
スマホと充電器が対応していても、間にあるケーブルも無視できません。
USB-Cケーブルには、それぞれ対応できる電力があります。
見た目だけでは違いが分かりにくいため、購入するときは対応するW数なども確認したほうが分かりやすいです。
USB PDによる急速充電は、スマホ・充電器・ケーブルを一つの組み合わせとして考えます。
手元の充電器でもUSB PDの考え方は同じ
手元のスマホや充電器を見ても、USB PDは「充電器のW数だけでは決まらない」ということが分かります。
同じスマホでも、以前から使っている低出力の充電器につなぐ場合と、USB PD対応の充電器につなぐ場合では、利用できる充電方法が変わります。
一方で、USB PD対応の高出力な充電器へ交換したからといって、スマホが充電器の最大出力をすべて使うわけではありません。
スマホ側が対応する範囲で充電されます。
実際にスマホの充電環境を見直すときも、
「この充電器は何Wだから速い」
だけではなく、
スマホと充電器が、どの条件でつながっているのか
を見る必要があります。
USB PD対応かどうかはどこを見ればいい?
USB PDを使いたいときは、それぞれの製品仕様を確認します。
スマホなら、メーカーの製品ページや取扱説明書を確認します。
充電器なら、
- PD対応
- USB Power Delivery対応
- 最大○W
などの表示を確認します。
充電器本体にも、対応する電圧や電流が小さく書かれていることがあります。
ケーブルも、USB-Cという端子だけで判断せず、対応する充電電力を確認します。
ここでも見るべきなのは、一つの製品だけではありません。
スマホ・充電器・ケーブルの3つが、必要な条件を満たしているか。
これを確認します。
USB PDでも充電速度はずっと同じではない
USB PDで急速充電していても、充電開始から終了まで同じ電力で充電するわけではありません。
スマホは、
- バッテリー残量
- 本体の温度
- バッテリーの状態
などを見ながら充電を調整します。
バッテリー残量が少ないときは速く充電し、満充電に近づくと速度を落とすこともあります。
スマホが熱くなっているときには、端末を守るために充電電力を抑えることもあります。
そのため、USB PD対応の充電器を使っていても、常に充電器やスマホの最大W数で充電されるわけではありません。
これも、USB PDを「最大出力をそのまま流す仕組み」と考えないほうがよい理由です。
まとめ|USB PDは必要な電力を調整して充電する規格
USB PDは、USB-Cを使った急速充電で広く使われている規格です。
USB-Cは端子の形。
USB PDは電力をやり取りするための規格。
この2つは同じものではありません。
USB PDでは、充電器が最大出力を一方的に機器へ流すのではなく、スマホなどの機器と充電器が対応する範囲で充電します。
そのため、高出力のUSB PD充電器を使っても、スマホがその最大出力をすべて受け取るわけではありません。
USB PDで急速充電するには、
- 対応するスマホ
- 対応する充電器
- 必要な電力に対応したケーブル
が必要です。
USB PDは、ただ大きな電力を流すための規格ではありません。
充電器と機器が対応する条件を確認し、その範囲で必要な電力をやり取りするための仕組みです。
ここが分かれば、USB PD対応充電器を選ぶときも、単純にW数の大きさだけを見る必要がないことが分かります。
コメント
この記事へのコメントはありません。